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入院中の要介護認定|親の退院前に申請する時期と流れ、病院での調査と相談先

文:大阪の長男 事実の確認:親のこと帳編集部公開日:親が倒れたら

入院中でも要介護認定は申請でき、家族が親の住所のある市区町村に代わって申請して、調査ができる状態なら認定調査も病院で受けられます。申請は病状が落ち着き退院の見通しが立った頃が目安と案内する自治体があり、結果は原則30日以内に出て、効力は申請日にさかのぼります。

この記事の要点

  • 申請先は親の住所のある市区町村で、入院先が別の市区町村でも同じ。家族が代わりに申請できる
  • 認定調査は、調査ができる状態なら病院でも受けられる。申請の時期の目安は自治体ごとに案内が違う
  • 結果は原則30日以内で、効力は申請日にさかのぼる。介護保険のサービスは主に退院後に使う

もし入院したら、申請は退院してから?

「入院したら、介護の申請は退院してから」と思い込む母に、次女が、入院中にできる要介護認定の申請を話します。

入院中の要介護認定の思い込みの場面。茶の間でハナが得意げに話し、座卓のタブレットの画面の中のケンが驚いている
母のハナは、もし入院したら、介護の申請は退院してからするものだと思っています。遠くに住む長男のケンには、それで間に合うのか分かりません。「遠距離介護で親の闘病に通うとき」を読む
入院中でも要介護認定を申請できると説明する場面。茶の間でエリが穏やかに話し、となりのハナが目を丸くしている
要介護認定は、入院中でも申請できます。親の住所のある市区町村に、家族が代わりに申請できます。申請の時期は、病状が落ち着き退院の見通しが立った頃を目安にする自治体があります。親が倒れたらのまとめを読む
入院中の要介護認定の流れを説明する場面。エリがノートの4つの項目を見せ、ハナとタブレットの中のケンがのぞきこんでいる
入院中の要介護認定は、親の住所のある市区町村に家族が申請できます。調査ができる状態なら認定調査は病院でも受けられ、結果は原則30日以内で、効力は申請日にさかのぼります。介護サービスとお金のまとめを読む
要介護認定の申請の役割分担を決める場面。ハナが張り切ってタブレットを指さし、画面の中のケンが慌て、となりのエリが苦笑いしている
母のハナは、さっそく役割分担を決めました。郵送や電子申請ができる自治体もあります。介護保険被保険者証の置き場所と主治医の名前を、家族で共有しておきます。家族会議のまとめを読む
セリフを文字で読む
  1. 1コマ目
    • ハナ:もし入院したら、介護の申請は退院してからね!
    • ケン:え、それで間に合うん?
  2. 2コマ目
    • エリ:入院中でも申請できるよ。家族が代わりに出せるの
    • ハナ:あら、病院にいる間でもいいの?
  3. 3コマ目
    • エリ:住所の市区町村に申請して、病院で調査も受けられるの
    • エリ:結果は原則30日以内、効力は申請日にさかのぼるよ
  4. 4コマ目
    • ハナ:申請はケン、病院との連絡はエリね。決まり!
    • ケン:ちょっ、遠くから窓口まで通うん!?

漫画:親のこと帳編集部。登場する人物・団体はフィクションです。漫画の画像はCC BY 4.0で提供しています。

親が入院して、退院したあとの暮らしに介護が要りそうなとき、入院中に要介護認定を申請できるのか、いつ・どこに申請すればよいのかをまとめます。

どれも2026年11月3日に、介護保険法の条文と、厚生労働省・市区町村の公式の情報で確かめました。入院中の申請の時期は市区町村によって案内が違うため、例として自治体の名前を挙げます。

この記事は、はじめて要介護認定を申請する場合を中心にまとめます。すでに認定を受けている親が入院したときは、担当のケアマネジャーに連絡します。状態が大きく変わったときの区分変更は、後ろの節で触れます。

  • 入院中に申請できるか
  • 申請先と、そろえておくもの
  • 申請の時期と、結果が出るまでの流れ
  • 結果が出る前と退院後にすること、相談先

親が倒れてから退院後までの全体の流れは、親が倒れたらのまとめで整理しています。

入院中でも要介護認定は申請できる

親が入院中でも、要介護認定は申請できます。中野区は入院中でも申請できると案内し、春日井市は認定に必要な調査で病院にも訪問していると説明しています(中野区「介護保険 よくある質問」、春日井市「よくある質問」、2026年11月3日に確認)。

山形市の案内では、退院後に在宅サービスを使う予定があるときや、介護保険施設に入所するときに申請します。同じ案内で、医療の給付を受けているあいだは介護の給付を受けられないとしています(山形市「よくある質問」、2026年11月3日に確認)。入院中の申請は、退院後や施設に移ったあとに介護保険のサービスを使うことを見込んで行います。

申請の前に確かめること

申請の前に、申請先の市区町村と、手元にそろえるものを確かめます。

厚生労働省は「お住まいの市区町村の窓口」で申請すると説明しています(介護サービス情報公表システム「サービス利用までの流れ」、2026年11月3日に確認)。介護保険法も、被保険者を市町村の区域内に住所がある人と定めています(介護保険法9条・27条1項)。入院先の病院が別の市区町村にあっても、住所を移していなければ、申請先は親の住所の市区町村です。迷うときは、親の住所の市区町村の介護保険の窓口に電話で確かめます。

  • 親の住所のある市区町村と、その介護保険の窓口の連絡先
  • 介護保険被保険者証の置き場所(申請書に添えます。40〜64歳で被保険者証が交付されていない人は不要です)
  • 親のマイナンバーが確かめられる書類と、窓口に行く人の本人確認書類(大阪市の例)
  • 40〜64歳なら、医療保険の資格が分かる書類と、介護が必要になった原因が特定疾病にあたるか
  • 主治医の名前と医療機関の名前(申請書に書く欄があります)
  • 調査先として、入院先の病院の住所(大阪市の申請書の例。調査先の住所が申請書の住所と異なるときに書く欄があります)
  • 本人以外が申請するときの委任状の要否(中野区は不要、大阪市は本人・3親等以内の家族・代行する事業者以外が申請するときに必要)

40〜64歳の人は、介護が必要になった原因が16種類の特定疾病のときに限って認定の対象になります(介護保険法7条3項、厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」)。65歳以上の人は原因を問いません。

主治医について、ひたちなか市は、本人の心身の状態をよく知っている医師や、介護が必要になった原因の病気やけがを治療している医師と説明しています(ひたちなか市「要介護認定」、2026年11月3日に確認)。入院中なら、だれを主治医として書くかを病院に相談しておきます。必要なものの例は大阪市の案内を参考にしました。

申請から結果までの流れ

申請、認定調査、主治医意見書、判定の順に進み、結果は申請から原則30日以内に届きます。

主治医意見書の作成料に申請する人の自己負担はなく、ひたちなか市では居宅介護支援事業所や地域包括支援センターによる申請の代行も無料と案内しています。申請そのものの手数料は、親の住所の市区町村の案内で確かめます。

次の表は、申請から結果が出るまでの流れと、入院中のときのポイントです。

段階

だれが・どこで

入院中のときのポイント

申請

本人か家族が市区町村の窓口へ。地域包括支援センターや居宅介護支援事業者などが代行することもできる

窓口のほか、郵送や電子申請ができる自治体もある(春日井市・船橋市)

認定調査

市区町村の調査員などが本人と面接する

調査ができる状態なら病院でも受けられる。遠くの病院では、ほかの市区町村に調査を頼むことがある

主治医意見書

市区町村が主治医に作成を頼む

作成料の自己負担はない。入院中の申請では、医師が作成を了承しているかを確かめる自治体がある(奈良市)

判定

コンピュータによる一次判定のあと、介護認定審査会が二次判定をする

病気の重さと要介護度は、必ずしも一致しない

通知

市区町村から本人に結果が届く

原則30日以内。延びるときは、見込みの期間と理由が通知される

出典:介護保険法27条、厚生労働省「要介護認定に係る制度の概要」、春日井市・船橋市・奈良市の案内(2026年11月3日に確認)

申請は本人か家族が窓口で行う

申請は、本人か家族が市区町村の窓口で行うのが基本です(ひたちなか市・奈良市・春日井市の案内)。介護保険法27条1項は、指定居宅介護支援事業者、地域包括支援センター、介護保険施設などに、申請の手続きを代わって行わせることができると定めています。

郵送や電子申請ができる自治体もあります。春日井市は窓口・郵送・電子申請を案内し、船橋市はマイナポータルの「ぴったりサービス」での申請を案内しています(春日井市「要介護認定」、船橋市の案内、2026年11月3日に確認)。大阪市のように、電子申請は被保険者本人だけとしている自治体もあります。

認定調査を病院で受けるとき

認定調査は、調査ができる状態であれば、入院先の病院でも受けられます。中野区の案内では、入院中の調査には多くの場合、病棟の看護師が立ち会って日頃の様子を説明します。看護師や家族が同席できるかは医療機関が判断し、家族が同席できないときは、日程を決める段階で調査員に伝えれば、電話などで日頃の様子を伝えられます。

中野区の案内では、病状が不安定で、3〜6か月以上安定して続く介助量をはかることが難しいと予想されるときは、調査を受けられません。入院前後・手術前後・急性期のリハビリ中・退院予定が未定のときは、申請の時期を担当のケアマネジャー(新規の人は地域包括支援センター)に相談します。

親が遠くの病院に入院しているときは、住所の市区町村が、ほかの市区町村に調査を頼むことがあります(介護保険法27条2項)。箕面市は、市内に入院している他の市区町村の被保険者の調査を、依頼を受けて行うと案内しています(箕面市「他市町村からの認定調査のご依頼について」、2026年11月3日に確認)。

主治医意見書

主治医意見書は、市区町村が主治医に作成を頼み、申請する人の作成料の自己負担はありません(厚生労働省)。主治医がいないときは、市区町村が指定する医師の診察を受けます(介護保険法27条3項)。中野区の案内では、作成するかどうかは医師が判断し、断られたときは別の医師を探します。奈良市は、入院中の申請では主治医が作成を了承していることを確かめるとしています(奈良市の案内、2026年11月3日に確認)。

判定と区分

判定は、認定調査と主治医意見書をもとにしたコンピュータの一次判定と、保健・医療・福祉の専門家による介護認定審査会の二次判定の2段階です(厚生労働省「要介護認定に係る制度の概要」)。結果は、要支援1・2、要介護1〜5の7段階と、非該当に分かれます。要介護度は介護の手間で決まるもので、病気の重さと必ずしも一致しません(厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」、2026年11月3日に確認)。

結果は申請から30日以内に出すと介護保険法27条11項が定めています。調査に日数がかかるなど特別な理由があるときは、30日以内に、あとどれくらいかかるかと理由が通知されます。

いつ申請するか:自治体の案内

入院中の申請の時期を定めた条文は、2026年11月3日に確かめた介護保険法・施行規則・施行令では見つかりませんでした。時期の案内は自治体ごとに違い、病状が落ち着き退院の見通しが立った頃を目安とする自治体があります。

ひたちなか市は、その理由を、体調に変動があると正しい調査ができないことと、退院後に実際にサービスを使う状況に近い状態で判定するためと説明しています。

次の表は、入院中の申請の時期について、自治体の案内をまとめたものです。

自治体

入院中の申請の時期の案内

ひたちなか市

入院直後ではなく、状態が安定して退院の見通しがついた頃

水戸市

状態が安定して退院の見通しがついた頃

奈良市

申請の前に市に相談する。おおむね1〜2か月内の退院の予定や、認定調査ができる状態かどうかなどを確かめる

中野区

認定調査ができる心身の状態であることを確かめてから。時期は担当のケアマネジャー(新規の人は地域包括支援センター)に相談する

出典:ひたちなか市・水戸市・奈良市・中野区の介護保険の案内(2026年11月3日に確認)

急性期で調査を待ったり、主治医意見書の作成が遅れたりすると、結果まで30日以上かかることがあります(ひたちなか市)。退院の予定が分かったら、早めに親の住所の市区町村の窓口か地域包括支援センターに時期を聞きます(水戸市の案内も参考)。

がん等で急ぐとき

厚生労働省の事務連絡(令和6年5月31日)は、がん等で状態が急に変わる人について、手続きと介護サービスの開始に特段の配慮を求めています。結果が出る前に暫定のケアプランでサービスを始めることや、入院中の調査を医師・看護師などが同席してオンラインで行うことは、市区町村(保険者)の判断でできる取扱いで、すべての自治体が同じ対応とは限りません。まず病院の相談窓口と地域包括支援センターに、急ぐ事情を伝えます。

同じ事務連絡で、厚生労働省は、がん等の方の診療を行う医療機関に、介護サービスの活用を提案し、地域包括支援センター等に速やかに相談するよう求めています(厚生労働省 事務連絡「がん等の方に対する速やかな介護サービスの提供について」、2026年11月3日に確認)。緩和ケア病棟への入院を考えているときは、緩和ケア病棟の入院条件と申し込みの流れもあわせて読んでください。

結果が出る前と退院後にすること

認定の効力は申請日にさかのぼるので、退院後は結果が出る前でも、暫定のケアプランを作ってサービスを使える場合があります(介護保険法27条8項)。

結果の前にサービスを使うとき

中野区・中央区・春日井市は、結果が出る前でもサービスを使えると案内しています。その場合も、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者に相談して暫定のケアプランを作ります(中央区の案内、春日井市の案内、2026年11月3日に確認)。

ひたちなか市の案内では、非該当になったときは全額が自己負担になり、認定された区分の上限を超えた分も全額が自己負担です。入院中は介護の給付を受けられないので、暫定のケアプランが役立つのは主に退院のあとです。

ケアプランを作る人

要介護1〜5の人が自宅でサービスを使うときは、居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプランを作ります。要支援1・2の人は、地域包括支援センターに作成を頼めます。施設に入るときは、施設のケアマネジャーが作ります(厚生労働省)。

ケアプランの作成に利用者の自己負担はありません(介護保険法46条、奈良市の案内)。ただし春日井市の案内では、作成を依頼したことを市に届け出ていないと、いったん全額を払ってあとで戻る償還払いになります(春日井市「よくある質問」、2026年11月3日に確認)。届出が要るかどうかは、依頼するケアマネジャーか市区町村の窓口に確かめます。

自宅に戻る前の住宅改修

手すりの取付けや段差の解消などが対象です。工事の前に、住宅改修が必要な理由書などを添えて市区町村に申請します。対象になる工事費は通算で20万円までで、給付は原則9割(上限18万円)です。要介護状態区分が3段階上がったときや転居したときは、再度20万円まで対象になります(厚生労働省「介護保険における住宅改修」、2026年11月3日に確認)。認定の結果が出る前に工事を始めてよいかは、市区町村かケアマネジャーに確かめます。

自己負担と有効期間

介護保険のサービスの自己負担は、かかった費用の1割で、一定以上の所得がある人は2割か3割です(介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」、2026年11月3日に確認)。お金のしくみは介護サービスとお金のまとめで整理しています。施設に入るときの食費と居住費を軽くする制度は、負担限度額認定で解説しています。

新規の認定の有効期間は原則6か月で、必要に応じて3〜12か月の範囲で決まります。月の途中に効力が生じたときは、その月の末日までの期間が加わります(介護保険法施行規則38条)。有効期間が過ぎるとサービスを使えないため、満了までに更新の申請をします。

結果に納得できないとき・状態が変わったとき

結果に納得できないときは、まず市区町村の窓口に理由を聞き、それでも納得できなければ、都道府県の介護保険審査会に審査請求ができます。期限は、結果を知った日の翌日から3か月以内です(正当な理由があるときを除く。介護保険法183条・184条、行政不服審査法18条)。

退院したあとに状態が大きく変わったときは、有効期間の途中でも区分の変更を申請できます(介護保険法29条)。中野区は、申請の前に担当のケアマネジャーに相談するよう案内しています。審査で区分が変わらなければ、申請は却下されます。

相談先

入院中は、病院の相談窓口と、親の住所の地域包括支援センターの二つに相談します。

  • 病院の相談窓口:退院後の暮らしの相談先です。名称は病院で違うので、入院先の看護師や受付に「退院後の相談をしたい」と伝えます。
  • 地域包括支援センター:市町村が設置し、すべての市町村にあります(厚生労働省「地域包括支援センターについて」)。親が住んでいる地域のセンターが、申請の代行、要支援の人のケアプラン、介護の総合相談を受けます。
  • 市区町村の介護保険の窓口:申請、結果の通知、結果に納得できないときの相談先です。
  • かかりつけ医がいないとき:中野区は、区の医師会への相談を案内しています。

入院中の医療費は、マイナ保険証を使うか限度額適用認定証を出せば、窓口での支払いが月ごとの上限額までになります(厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」、2026年11月3日に確認)。上限額の考え方は親が倒れたらのまとめと緩和ケア病棟の費用にまとめています。

よくある質問

親が入院中でも要介護認定は申請できますか?

できます。家族が親の住所のある市区町村に申請でき、認定調査も、調査ができる状態であれば病院で受けられます。中野区・春日井市・山形市などが、入院中の申請を案内しています。

入院中の申請はいつがよいですか?

入院直後ではなく、病状が落ち着き、退院の見通しが立った頃が目安です。ひたちなか市と水戸市はこの時期を案内し、奈良市はおおむね1〜2か月内に退院の予定があることなどを確かめるとしています。自治体で違うので、退院の予定が分かったら、親の住所の市区町村の窓口か地域包括支援センターに時期を聞きます。

申請してから結果が出るまで何日かかりますか?

原則30日以内です。調査や主治医意見書が遅れて延びるときは、見込みの期間と理由が通知されます。

結果が出る前に退院したら、サービスは使えますか?

暫定のケアプランを作れば、結果が出る前でもサービスを使える場合があります。認定の効力は申請日にさかのぼりますが、非該当になれば全額が自己負担です。

入院先の病院が別の市区町村にあるときは、どこに申請しますか?

親の住所のある(介護保険の被保険者になっている)市区町村に申請します。調査は、病院のある地域の市区町村などに頼まれることがあります。迷うときは、親の住所の市区町村の窓口に確かめます。

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