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別居の親を扶養控除に入れるには|令和8年分の年金収入の目安と仕送りの条件

文:大阪の長男 事実の確認:親のこと帳編集部公開日:家族会議

別居している親でも、常に生活費や療養費を送金していて「生計を一にする」と言える場合は、子の所得税で扶養控除を受けられます。その年の12月31日に70歳以上の親は老人扶養親族として控除額は48万円(同居している場合は58万円)で、親の合計所得金額は令和8年分から62万円以下(令和7年分は58万円以下)で、公的年金だけなら65歳以上で年金収入172万円以下が目安です。控除を受けられるのは、きょうだいのうち1人だけです。

この記事の要点

  • 別居でも、生活費や療養費を常に送金していれば「生計を一にする」とされる。控除できるのは、きょうだいのうち1人だけ
  • 70歳以上の親の控除額は48万円、同居なら58万円。同居の親が治療で入院しても同居、老人ホームに入所すると同居にあたらない
  • 親の所得要件は令和7年分58万円以下、令和8年分62万円以下。会社員は扶養控除等申告書に書いて年末調整で受ける

離れて暮らしていても、扶養に入れるの?

一人暮らしのハナは、子どもの扶養とは関係ないと思っていました。別居でも仕送りで生計が同じなら、扶養控除の対象になります。

一人暮らしの扶養をめぐる場面。茶の間でお茶を飲むハナが扶養は関係ないと笑い、タブレットのケンが驚いている。
税の扶養控除は、同居していることが条件ではありません。別居していても、子が常に生活費や療養費を送金して生計を一にしていれば、対象になります。遠距離介護で親の闘病に通うとき
別居の扶養控除を説明する場面。茶の間で座卓の横に座ったエリが落ち着いて話し、ハナが目を丸くして聞いている。
70歳以上の親は老人扶養親族で、所得税の控除額は48万円です。子やその配偶者とふだん同居している父母などは58万円で、老人ホームに入所していると同居にあたりません。施設探し
扶養控除の条件のノートを見せる場面。エリが開いたノートを、ハナとタブレットのケンがのぞきこんでいる。
親の合計所得金額は、令和8年分から62万円以下(令和7年分は58万円以下)が要件です。公的年金だけなら、65歳以上で年金収入172万円以下が目安です。介護サービスとお金
扶養に入る子を選ぶ場面。茶の間で腕を組んだハナが得意げに笑い、座卓のタブレットのケンが汗をかいてあわてている。
扶養控除を受けられるのは、きょうだいのうち1人だけです。だれの扶養親族になるかは申告書に親を書いた人で決まるので、会社員は扶養控除等申告書に書いて年末調整で受けます。仕事と介護
セリフを文字で読む
  1. 1コマ目
    • ハナ:一人で暮らしてるんだから、扶養なんて関係ないわよね
    • ケン:え、毎月仕送りしてるのに?
  2. 2コマ目
    • エリ:別居でも、仕送りで生計が同じなら対象になるよ
    • ハナ:あら、同居してなくてもいいの?
  3. 3コマ目
    • エリ:令和8年分は、年金だけなら65歳以上で172万円以下
    • ケン:控除できるのは、きょうだいで1人なんだね
  4. 4コマ目
    • ハナ:じゃあ、仕送りの多い子の扶養に入るわ
    • ケン:えっ、今から仕送り競争!?

漫画:親のこと帳編集部。登場する人物・団体はフィクションです。漫画の画像はCC BY 4.0で提供しています。

離れて暮らす親に毎月仕送りをしている場合、子の所得税で扶養控除を受けられることがあります。税の扶養控除で問われるのは「生計を一にしているか」で、同居は条件ではありません。

この記事では、別居の親を扶養控除の対象にする条件、親の年齢ごとの控除額、親の年金や給与の収入の目安、入院や老人ホームに入ったときの同居の扱い、きょうだいで仕送りしている場合、年末調整と確定申告の手続きを、子の目線で順にまとめます。制度の内容は、国税庁、市区町村、全国健康保険協会、e-Gov法令検索の公式ページで2026年11月7日に確かめました。家族でお金の分担を話し合う進め方は、家族会議のページにまとめています。

別居の親を扶養控除の対象にする条件

別居の親でも、次の条件をすべて満たせば、子の所得税で扶養控除の対象になります。扶養控除は、扶養親族がいる人の所得から一定の額を差し引く制度で、親は「配偶者以外の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族)」にあたります。

条件

内容

確かめること

生計を一にする

同居は条件ではない。別居なら、常に生活費や療養費などを送金している

仕送りの振込や現金書留の記録

親の所得

年間の合計所得金額が62万円以下(令和8年分。令和7年分は58万円以下)

親の年金の額や給与の額

親の年齢

その年の12月31日に16歳以上(70歳以上は老人扶養親族)

親の生年月日

ほかの人の扶養

きょうだいなど、ほかの人の扶養親族になっていない

だれが申告書に親を書くか

出典:国税庁 タックスアンサー No.1180「扶養控除」とよくある質問(2026年11月7日に確認)

このほか、親が青色申告者の事業専従者として給与を受けている場合や、白色申告者の事業専従者である場合は対象になりません。国外に住む親を対象にするときは、親族関係書類と送金関係書類が別に必要です。

親の年齢と控除額

70歳以上の親の控除額は48万円です。子かその配偶者の父母などで、子かその配偶者との同居を常況としている人(同居老親等)は58万円です。70歳以上かどうかは、その年の12月31日の年齢で決まります。

区分

親の年齢(その年の12月31日)

控除額(所得税)

一般の控除対象扶養親族

16歳以上70歳未満

38万円

老人扶養親族(同居老親等以外)

70歳以上

48万円

老人扶養親族(同居老親等)

70歳以上で、子かその配偶者と常に同居している父母など

58万円

出典:国税庁 タックスアンサー No.1180「扶養控除」、No.1182「高齢者を扶養している人が受けられる配偶者控除や扶養控除」(2026年11月7日に確認)

令和8年分で老人扶養親族になるのは、昭和32年1月1日以前に生まれた人です(令和7年分は昭和31年1月1日以前に生まれた人)。ふだん同居していない親は同居老親等にあたらないので、70歳以上なら控除額は48万円になります。

親の収入の目安|年金だけ・給与だけの場合

親の収入が公的年金だけなら、令和8年分は65歳以上で年金収入172万円以下、65歳未満で122万円以下が、所得要件を満たす目安です。給与だけなら、給与収入136万円以下が目安です。

親の収入

令和7年分

令和8年分

合計所得金額の要件

58万円以下

62万円以下

公的年金だけ(65歳以上)

年金収入168万円以下

年金収入172万円以下

公的年金だけ(65歳未満)

年金収入118万円以下

年金収入122万円以下

給与だけ

給与収入123万円以下

給与収入136万円以下

出典:国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」「令和8年分 年末調整のしかた」、タックスアンサー No.1180 とよくある質問(2026年11月7日に確認)

所得要件の62万円以下は、令和8年度の税制改正によるものです。この改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分(2026年分)の所得税から適用されます。2026年11月7日の時点では施行前ですが、令和8年分の年末調整はこの額で判定します。

遺族年金や障害年金のように税金がかからない年金は、合計所得金額に含めません。親が遺族年金を受け取っていても、課税される老齢年金などの額で判定します。

「生計を一にする」とは|別居で仕送りしている場合

別居していても、常に生活費や学資金、療養費などを送金している場合は、生計を一にするものとして扱われます。所得税基本通達2-47で、勤務や療養などの都合で別に暮らしていても、こうした送金が行われていれば生計を一にするとされています。

一方で、同じ家に住んでいても、明らかに互いに独立した生活をしている場合は、生計を一にするとはされません。

仕送りの証明書類を会社に出すことは、法令上は求められていません。ただ、国税庁は、会社が振込票や現金書留の写しなどで送金の事実を確かめることを勧めています。仕送りは振込か現金書留にして、記録を残しておくと説明しやすくなります。

同居かどうかの判定|入院・老人ホーム・同じ敷地の別棟

親が病気の治療のために入院している場合は、入院が長くなっても同居として扱われます。老人ホームなどに入所している場合は、老人ホームが親の住まいになるため、同居にはあたりません。

親の状況

同居老親等になるか

70歳以上の控除額の目安

子の家で一緒に暮らしている

なる

58万円

同居していた親が、病気の治療で入院している

なる(入院が1年以上でも)

58万円

同じ敷地の別棟に住み、日常の生活を共にしている

なる

58万円

老人ホームなどに入所していて、子が費用を送金している

ならない

48万円

実家で一人暮らしで、子が仕送りしている

ならない

48万円

出典:国税庁 タックスアンサー No.1180「扶養控除」、質疑応答事例「『同居』の範囲(長期間入院している場合)」、「令和8年分 年末調整のしかた」(2026年11月7日に確認)

老人ホームに入所している親でも、子が費用を送金していて生計を一にし、所得の要件を満たせば、扶養控除の対象にはなります。施設の種類と費用は施設探しのページにまとめています。

きょうだいで仕送りしている場合

きょうだいがそれぞれ同じ親に仕送りしていても、扶養控除の対象にできるのは、だれか1人だけです。均等に送金している場合でも、重ねて控除を受けることはできません。

だれの扶養親族にするかは、年末調整や確定申告で出す申告書に、だれが親を書いたかで決まります。2人以上が同じ親を書いてしまったときは、先に申告書で扶養親族にしていた人、それでも決まらないときは総所得金額などの合計額が多い人の扶養親族とされます。きょうだいで、だれが親を申告書に書くかを先に決めておくと、重なりを防げます。

年末調整と確定申告の手続き

会社員は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に親を書いて会社に出し、年末調整で扶養控除を受けます。自営業などで年末調整がない人は、確定申告で受けます。

  1. 親の生年月日と、その年の年金や給与の収入を確かめる
  2. 仕送りの記録(振込の明細や現金書留の控え)をまとめておく
  3. きょうだいのうち、だれが申告書に親を書くかを決める
  4. 会社員は、扶養控除等(異動)申告書に親を書いて会社に出す
  5. 年末調整のあとに親を書き忘れたと気づいたら、会社か税務署に相談する

令和8年度の改正で、令和8年分から新たに扶養控除の対象になる親がいる場合は、扶養控除等申告書の「異動月日及び事由」の欄に「令和8年12月1日 改正」などと書いて会社に出します。

年末調整のあとに扶養親族が増えたときは、翌年1月に源泉徴収票を受け取るまでなら、会社で年末調整をやり直せます。間に合わなかったときは、確定申告で税金の還付を受けられます。還付申告はその年の翌年1月1日から5年間、確定申告をした年分を直す更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内にできます。過去の年分で受け忘れていた場合は、税務署に相談してください。

出典:国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」、「令和5年分 年末調整Q&A」、タックスアンサー No.2030「還付申告」、No.2026「確定申告を間違えたとき」(2026年11月7日に確認)

住民税の扶養控除

扶養控除は住民税にもあり、所得税とは控除額が違います。令和8年度の住民税では、70歳以上の親の控除額は38万円、同居老親等なら45万円です。

区分

所得税

住民税(令和8年度)

一般の控除対象扶養親族

38万円

33万円

老人扶養親族(同居老親等以外)

48万円

38万円

老人扶養親族(同居老親等)

58万円

45万円

出典:国税庁 タックスアンサー No.1180「扶養控除」、練馬区「人的控除」(2026年11月7日に確認)

住民税は前の年の所得で計算するため、所得要件の引上げは所得税より1年遅れます。令和8年度(令和7年分の所得)は58万円以下で、令和9年度(令和8年分の所得)から62万円以下になります(中央区の案内で2026年11月7日に確認)。

要介護の親は、障害者控除も確かめる

65歳以上で、障害者に準ずるとして市区町村長などの認定を受けた親は、扶養控除に加えて障害者控除も受けられます。控除額は、障害者27万円、特別障害者40万円、同居を常況としている特別障害者は75万円です。

要介護認定を受けているだけでは対象にならず、市区町村が出す「障害者控除対象者認定書」などが必要です。認定の基準と申請の窓口は自治体によって違います。たとえば世田谷区は、要介護3以上で、主治医意見書などの障害自立度がB以上の人などを基準の一つにしています。文京区は、要介護または要支援の認定を受けている65歳以上の人を対象に、認定書を出しています。親が住んでいる市区町村の介護保険や高齢者福祉の窓口に確かめてください。

出典:国税庁 タックスアンサー No.1160「障害者控除」、世田谷区、文京区の案内(2026年11月7日に確認)

介護保険のしくみと、費用を軽くする制度は介護サービスとお金のページにまとめています。

健康保険の扶養とは別の制度

税の扶養控除と、健康保険の扶養(被扶養者)は別の制度で、条件も違います。75歳以上の親は後期高齢者医療制度に入るため、子の健康保険の被扶養者にはなれませんが、所得税の扶養控除は条件を満たせば受けられます。

項目

所得税の扶養控除

健康保険の被扶養者(協会けんぽ)

親の収入の基準

合計所得金額62万円以下(令和8年分)

60歳以上は年収180万円未満

別居の場合

常に生活費などを送金し、生計を一にしている

年収が130万円未満(60歳以上は180万円未満)で、かつ子からの仕送りの額より少ない

75歳以上の親

対象になる

後期高齢者医療制度に入るため、対象にならない

出典:国税庁 タックスアンサー No.1180「扶養控除」、全国健康保険協会「令和8年度被扶養者資格の再確認について」、健康保険法第3条、高齢者の医療の確保に関する法律第50条(2026年11月7日に確認)

会社の健康保険組合などに入っている場合は、加入している健康保険の案内で扶養の基準を確かめてください。

扶養控除を受ける前のチェックリスト

  • 親がその年の12月31日に何歳になるか(70歳以上なら老人扶養親族)
  • 親の公的年金の収入が、令和8年分で172万円以下(65歳以上)か
  • 遺族年金など、税金がかからない年金を分けて考えたか
  • 仕送りを振込か現金書留にして、記録を残しているか
  • 親が老人ホームに入所していないか(入所していれば同居老親等にはならない)
  • きょうだいのうち、だれが申告書に親を書くかを決めたか
  • 親が要介護なら、市区町村の障害者控除対象者認定を確かめたか
  • 健康保険の扶養と混同していないか

相談先

扶養控除の要件や、過去の年分の受け忘れは、子が住んでいる地域を担当する税務署に相談できます。会社員は、年末調整の書き方を会社の担当者に確かめます。障害者控除対象者認定や住民税の扶養控除は、親や子が住んでいる市区町村の窓口が担当です。健康保険の扶養は、子が加入している健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に確かめます。

よくある質問

別居している親でも、扶養控除の対象になりますか?

なります。税の扶養控除は同居が条件ではなく、別居していても、常に生活費や療養費などを送金して生計を一にしていれば対象になります。そのうえで、親の合計所得金額が令和8年分で62万円以下であることなどの条件を満たす必要があります。

親の年金がいくらまでなら、扶養控除の対象になりますか?

親の収入が公的年金だけなら、令和8年分は65歳以上で年金収入172万円以下、65歳未満で122万円以下が目安です。令和7年分は65歳以上で168万円以下、65歳未満で118万円以下でした。遺族年金など税金がかからない年金は含めません。

老人ホームに入っている親は、同居老親等になりますか?

なりません。老人ホームなどに入所している場合は、老人ホームが親の住まいになるため、同居にはあたりません。子が費用を送金して生計を一にし、所得の要件を満たせば、70歳以上の親は老人扶養親族として控除額48万円の対象になります。

きょうだいで仕送りしている場合、だれが扶養控除を受けられますか?

きょうだいのうち、だれか1人だけです。均等に送金していても重ねて控除を受けることはできず、申告書に親を書いた人の扶養親族になります。だれが書くかを、きょうだいで先に決めておきます。

75歳以上の親でも、扶養控除の対象になりますか?

なります。75歳以上の親は後期高齢者医療制度に入るため、子の健康保険の被扶養者にはなれませんが、所得税の扶養控除は年齢の上限がなく、生計を一にして所得の要件を満たせば受けられます。

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出典